【1998】
2人のスタンフォードのプログラマーがグーグルを生み出した。
そのアルゴリズムはアマゾンのシステムと似ておりリンクを
レコメンデーションとして捉える。
この土台が世界でもっとも強力な検索エンジンを始動させる。
【1999】
TiVoはテレビを時間帯とコマーシャルの束縛から解放することでテレビを変える。
もとに戻ろうとする人はほとんどいなかった。
この年、バイラ•ラボと呼ばれるネット新興企業が
個人の情報発信ツール『ブロガー』を発表する。
【2002】
フレンドスターが開設される。
何十万人もの若者が登録に殺到し、彼らの生活や趣味
また人間関係に関する驚くほど詳細な情報を共有する。
またこの年にはグーグルはニュースポータルの『グーグルニュース』を開設。
ニュース機関は反則だと叫んだ。
グーグルニュースのすべてはコンピュータにより編集される。
【2003】
グーグルはブロガーを買収。
グーグルの計画は謎だったが彼らがブロガーに興味を持ったのには理由がある。
2003年はブログの年である。
【2004】
すべてが始まった年として、記憶に残るだろう。
『リーズンマガジン』誌は各購読者が住む家の衛星写真を表紙にし
各人の好みにカスタマイズされた内容を掲載した号を発行した。
ソニーとフィリップスは世界初の大量生産向け電子ペーパーを発表。
グーグルは各ユーザーに1GBの無料スペースを提供する『Gメール』を発表。
そしてグーグルが上場する。グーグルは新たな資本を元に大規模な買収を行う。
Google 、TiVoを買収する。
【2005】
グーグルの動きに呼応して、マイクロソフトはフレンドスターを買収。
【2006】
グーグルはすべてを統合する。
同社はTiVo、ブロガー、Gメール、グーグルニュース
そして、検索関連のすべてを統合し、あらゆる種類のメディアを保存
共有するための無限大のストレージ容量と帯域幅を提供する。
万能プラットフォーム『グーグル•グリッド』を発表。
各自で、プライバシー保護レベルを設定し、コンテンツを安全に保存したり
外部に公開することが出来る。
誰にとっても、メディアを作り出すと同時に消費することが
これほど簡単にできたことはなかった。
【2007】
マイクロソフトはグーグルの増大する挑戦に対して
ソーシャルネットワークおよび参加型ジャーナリズムのための
ニュースボットスターを発表。
ニュースボットスターはユーザーの友人や同僚が何を読んでいるか
見ているかを基準にニュースの順位づけや選別を行い
仲間が見ているものに対して誰もが自由にコメント出来る。
この年、ソニーの電子ペーパーは本物の紙より安くなり
ニュースボットスターを閲覧するツールとしての第一候補となる。
【2008】
マイクロソフトの野望に挑戦する提携が生まれる。
グーグルとアマゾンが合併し、グーグルゾンが設立。
グーグルはグーグルグリッドと最高の検索技術を
アマゾンはソーシャルレコメンデーション•エンジンと
巨大な商業インフラを提供し、一人ひとりの人間関係、属性
消費行動、また趣味に関する詳細な知識を把握することで
コンテンツ、そして広告の包括的なカスタマイズを実現する。
【2010】
ニュース戦争は実際のニュース機関が参加しなかったという点が特筆すべきだ。
Googlezonはついにソフトウェア巨人のマイクロソフトも対抗出来ない手を打ってきた。
新アルゴリズムを使い、グーグルゾンのコンピューターは
あらゆる情報ソースから事実や文章を抜き出しそれらをふたたび組み合わせることで
新しい記事を動的に作り出す。
コンピュータが各人に向けて、記事を書くのだ。
【2011】
眠れる第四の権力は最初で最後の抵抗をするために目を覚ます。
ニューヨークタイムズカンパニーはグーグルゾンの事実抽出ロボットが
著作権法に違反するとして、同社を提訴する。
この裁判は最高裁まで進み2011年8月4日グーグルゾンは勝訴する。
【2014】
3月9日、グーグルゾンは『EPIC』を公開。
我々の世界へようこそ。
この"進化型パーソナライズ情報構築網(EPIC)"は雑多で混沌としたメディア空間を選別し、秩序立てそして、情報配信するためのシステムである。
ブログの書き込みから携帯カメラの画像、映像レポート完全取材に至るまで、誰もが貢献するようになる。記事の人気度により、グーグルゾンの巨額の広告収入のごく一部を得るのだ。
EPICは消費行動、趣味、属性情報、人間関係(ソーシャルグラフ)などを
ベースに各ユーザー向けにカスタマイズされたコンテンツを
作成する新世代のフリーランス編集者が次々と生まれ
人々はEPICのコンテンツを選別し、優先順位をつけるという能力を得るようになる。
私たちの全ては多くの編集者を購読できるようになる。
EPICでは彼らが選んだ記事を好きなように組み合わせることができる。
最高の状態ではEPICは見識ある読者に向けて編集された。
より深く、より幅広く、より詳細にこだわった世界の要約といえる。
しかし、最悪の場合、多くの人にとってEPICはささいな情報の単なる寄せ集めになる。
その多くが事実ではなく、狭く、浅く、扇情的な内容となる。
しかし、EPICは私たちが求め、選んだものである。
そして、その産業的な成功は報道倫理のためのメディアと民主主義を巡る議論が起こる前に 実現した。
2014年の現在、ニューヨークタイムズ紙はグーグルゾンの支配に対する精一杯の抵抗として、オフラインとなった。
タイムズ紙はエリート層と高齢者向けに紙媒体のみを提供するようになる。
しかし、他にも進むべき道はあっただろう、、、
↑以上日本語訳である。
個人によりマイクロコンテンツ化されたメディアなど
未来に関する予測はだいたい当たっているが、紙媒体のメディアと
オンラインメディアの対立がここまで全面的に対立するとは思えない。
既に電子版などで柔軟に対応している。
’07年のニュースボットスターについてのこの記述
→ユーザーの友人や同僚が何を読んでいるか、見ているかを基準に
ニュースの順位付けや選別を行い、仲間が見ているものに対して
誰もが自由にコメントできる。
これはまさに今でいうTwitterである。
また電子書籍、閲覧ツールの第一候補はソニーではなく
AmazonのKindle、AppleのiPad、iPhoneである。
'04年時には現在のAppleの快進撃は予測することができなかったようだ。
それだけITの技術は日進月歩、変化が激しく
どんなプレイヤーが出てくるか予測が難しい。
Googleで検索をし、Amazonで買い物をした全ての行動が全て
記録されているのは周知の事実であるがGoogleとAmazonが
提携したとしたら、もう鬼に金棒である。
すべてを破壊するグーグルなら近い将来ありえない話でもない。